2009年6月3日水曜日

LOU REED &JOHN CALE / ''SONGS FOR DRELLA'' が好きでしょうがない


好きでしょうがない、をお題にしてしばらくちょっと書いてみようかと思う。
なぜ音楽を聴くか、と問われたら、好きでしょうがないから、と応えると思うので。
実際にそうなのだ。この世の中には死ぬまですべてを聴ききれない音楽が広がっている。すばらしい。ああ、すばらしい。


さて、LOU REEDとJOHN CALEの共作「SONGS FOR DRELLA」が好きでしょうがない。
その証拠に、CDとアナログ盤の両方を持っている。いやいや、そんな事は好きでしょうがない事の証明にはならない。

このアルバムには不思議な魅力がある。
ジャケットには真っ黒なバックに、ルーリードとジョン・ケイルの二人の顔。
一見すると二人の顔しか写っていないように見えるが、角度を変えてみるとアンディ・ウォーホルの顔が二人の顔の間に浮かび上がる。まるで遺影のようなジャケット。
このアルバムはウォーホルへの二人の追悼なのだから、当然かもしれないけれど。



ルー・リードがジョン・ケイルをヴェルヴェットアンダーグラウンドからクビにして以来、およそ20年ぶりに一緒に作品を作り上げたのがウォーホルの死によってという事を考えると、そこに巡る因縁について考えさせられてしまう。

僕はヴェルヴェッツ、二人のソロのどのアルバムよりこのアルバムが好きだ。
二人だけの作曲、二人だけの演奏。そして、アンディはいない。

楽曲はどれもシンプルで、かつ強靭だ。
ルー・リードのギター、ジョン・ケイルのピアノ、ヴィオラ、どこを取っても力がある。

あまりキャッチーな曲はないし、端的に言うと地味なアルバムになるのだろう。
けれどそこには二人の想いがギュッと詰まっている。
アンディに対する二人の想いはとても複雑だったのだろうけれど、このアルバムで聴ける二人の演奏は、アンディに対する一言では言えない愛情によってできている様に聴こえる。
アンディ、イッツミー。
そういうルーの言葉には肉体がある。これは彼の生身の声だ。他のどの歌よりもルー・リードだ。

二人はこの時一瞬交わって、ヴェルヴェッツ再結成の後また別れてしまうけれど、ここには二人がぶつかりあうのではなく、共に作り上げた結晶が残っている。
アンディの死が作り上げた、一つの結晶。
僕は他には感じられない、強い輝きをこの作品に感じる。
死を悼んでいる音楽なのに、僕はこれを聴くと悲しみを感じるよりも、彼らの暖かさと強い愛情を感じて心が温まるような思いがする。こんなに温かく、そして寂しい別れの言葉が他にあるのだろうか。

この作品を聴くたびに、何度でも僕は心を揺り動かされる。こんな作品はたくさん無い。
そしてまた、SONGS FOR DRELLAを聴く。僕はこのアルバムが好きでしょうがない。

 ''SONGS FOR DRELLA''  ソングス・フォー・ドレラ/ LOU REED & JOHN CALE 1990, SIRE Records


>Forever Changed
このアルバムでのハイライトというか、一番好きな曲。
ジョンの歌、ピアノ、そしてルーのギターは完璧に一つになっていると思う。
素晴らしい。

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